OTO-LESS 耐震天井(OSシーリング)
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耐震天井における防振機能の実現
OTO-LESS(オトレス)は高い遮音性能が要求される音楽ホールやシネコンなどの天井に、地震による揺れを防ぐ耐震性能を兼ね備えた「OS シーリング」の新しいラインナップです。
耐震天井下地のブレース下端と天井面の間に特殊な接合金物を設置することにより、振動を伴う長期鉛直荷重と地震時の短期的な天井にかかる水平地震力をそれぞれ切り分け、その各々の応力に対する部材にかかる力を単純化して負担させるものとしました。
注:本システムの下地基本構成は「HG タイプ」に準拠します。
注:オトレスファスナー部の野縁方向はOTO-LESS 自在ハンガー、野縁受方向はND ハンガー、またオトレスファスナー部以外の箇所はND ハンガーを使用します。
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防振天井と耐震天井の仕組み
防振天井
防振金物により、振動を絶縁することで音の伝播を防ぎますが、天井は地震時の揺れに抵抗できません。
耐震天井
ブレースにより、地震時の天井の揺れを抑えることで天井の脱落被害を防ぎますが、ブレースを通して音(振動)が伝播します。
防振・耐震天井
特殊な接合金物により、音(振動)の伝播を防ぎながら地震時の天井の脱落被害を防ぎます。
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OTO-LESS天井下地構成図
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ブレース下端と天井面の接合部
オトレスファスナーはロックボルトを有するブレースとそれを固定するゴムブッシュを伴う天井面システムで構成されるものです。
平常時はブレースと天井面をゴムブッシュ上部にクリアランスを設けることにより絶縁し、音(振動)の伝播を防ぎ通常の吊型防振ゴムにより防振性能を確保します。
地震時にはブレース側に固定したロックボルトとゴムブッシュにより音の振動をカットしながら水平方向に作用する天井面の揺れに抵抗させることにより耐震性能を確保しました。
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OTO-LESSの防振性能
OTO-LESS の基本性能は地震による天井面の揺れを抑制することを目的としており、防振性能は通常の防振天井と同様に各吊りボルトに設置する吊型防振ゴムの性能と働きに依存します。
防振系固有振動数(許容荷重×0.5~0.8 支承時)は、シングル型10~13Hz、ダブル型7~9Hz と優れた防振効果があります。
※なお、吊型防振ゴムはコ型の物もあります。サイズ、形状についてはお問い合わせ下さい。
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天井全体の許容耐力総合評価試験(繰り返し)
目的: 国交省告示771 号「建築物における天井脱落対策に係る技術基準の解説」 第Ⅱ編 第4 章 天井ユニットの試験・評価に準拠した正負繰り返し試験を行い、その結果が一方向加力試験の結果と概ね同等であることを確かめる。
一方向加力試験で確認した許容耐力P=5000Nを基準値として、0.5P・1.0P・1.5Pの各荷重を正負各3 回繰り返し加力して下地材や接合部及びクリップ類に損傷や滑りなどがない事を確認する。
【野縁受方向】
【野縁方向】
結果: 本試験において、ブレース1対当りの天井ユニット水平許容耐力P=5000N を弾性限度内の許容耐力と設定した荷重変位曲線は、ほぼ同じ包絡線上をたどる事を確認し、防振ゴムの弾性範囲での変位以外は下地材や接合部及びクリップ類に損傷や滑りなどない事が確認できた。
【野縁受方向繰り返し試験グラフ】
【野縁方向繰り返し試験グラフ】